「軟骨がすり減ってるから」で膝の痛みは説明できない|接骨院院長の見方
「軟骨がすり減っているから痛いんですよ」——膝の相談でいちばんよく聞く説明だと思います。
これは半分正解で、半分間違いだと私は考えています。
そして、それを確かめる方法はとても簡単です。ひとつ質問をさせてください。
お年寄りで、軟骨がすり減っていない人っていますか?
いませんよね。年齢を重ねれば、程度の差はあれ誰でもすり減っています。
なのに、膝が痛い人と痛くない人がいる。なぜでしょうか。
この記事では、膝についてよく言われる5つの説明を、ひとつずつ検証していきます。
| よく言われること | この記事での結論 | |
|---|---|---|
| ① | 軟骨がすり減っているから痛い | 痛みの正体は炎症。すり減っていても痛くない人は大勢いる |
| ② | 関節の隙間が狭いから痛い | 狭いから痛いのではなく、筋力が落ちた結果として狭くなった |
| ③ | ヒアルロン酸を打てばよくなる | 修復する成分は入っていない |
| ④ | 痛み止めが効いた=よくなった | **痛みの信号を止めているだけ。**止まっている間に動いて悪化することがある |
| ⑤ | 膝が痛いなら歩きなさい | 四股立ちで1分止まれてから。それまでは負担が増えるだけ |
そのうえで、私が実際にやってもらっていることを書きます。
私自身、7年前に半年間痛みが引かなかった膝を、この方法で良くしています。
本記事は、施術歴19年目・のべ7万人以上の体と向き合ってきた柔道整復師・接骨院院長が執筆しています。
通説① 「軟骨がすり減っているから痛い」
前提:半月板には、基本的に神経がありません
まず知っておいてほしいことがあります。
半月板には、基本的に神経が通っていません。
神経がないということは、そこが削れてもそれ自体が痛みの信号を出すわけではないということです。
「基本的に」と書いたのは、例外があるからです。**ケガを繰り返しているうちに神経が伸びてきて、痛みを感じるようになる方もいます。**ただ、これは少数です。
つまり、多くの方にとって「削れているから痛い」という説明は、そのままでは成り立ちません。
では、何が痛いのか
炎症です。
急に痛めたり、負担がかかり続けたりすると、膝の中で炎症が起きます。痛みの正体はこれだと考えています。
すり減っていること自体が痛いのではなく、すり減るような状態が続いた結果として炎症が起きている。順番が違います。
この点は研究でも一致しています。
膝の画像と痛みの関係を調べた研究(Hill BG, et al. Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons, 2025)では、レントゲンやMRIで見た構造の 特徴は、患者さんの痛みや症状を予測できなかったと報告されています。 確立した評価方法で点数化しても同じでした。
さらに興味深いことに、症状が重い人ほど、画像からの予測は当たらなくなる とも書かれています。
別の研究(Finan PH, et al. Arthritis & Rheumatism, 2013)では、 画像上の変化が軽いのに痛みが強い人と、変化が大きいのに痛みが軽い人を 比べています。前者は痛みへの感じやすさが高く、後者は低かった。 同じ膝の状態でも、感じ方が違うということです。
「画像がこうだから、この痛み」という説明は、思われているほど単純ではありません。
通説② 「関節の隙間が狭いから痛い」
もうひとつよく聞くのが、**「関節の隙間が狭くなっている」**という説明です。
隙間が狭くなっていること自体は、事実だと思います。ただ**「狭いから痛い」とは限りません。**
さきほど書いたとおり、痛みの正体は炎症です。隙間の狭さは、痛みの原因というより、そこに至った過程の結果だと考えています。
なぜ狭くなったのか——そこを飛ばすと、話が逆になります。
私が見ている順番はこうです。
① 筋力が弱くなる
↓
② 膝まわりの筋肉が硬くなり、縮む
↓
③ 関節の隙間が狭くなる(膝が伸ばしきれなくなる)
↓
④ 関節内の関節液も減っていく
↓
⑤ 半月板が削れていく
↓
⑥ 膝に負担がかかり、炎症が起きる ← ここで痛みが出る
**痛み(⑥)は、この流れのいちばん最後に出てきます。**隙間が狭いこと(③)は、痛みの原因ではなく、そこに至る途中の段階です。
だから「隙間が狭い」と言われても、そこで諦める必要はありません。**上流にあたる①②のほうは、いまからでも動かせます。**そして上流が変われば、下流も変わります。
通説③④ 「ヒアルロン酸を打てば」「痛み止めが効いたから大丈夫」
病院に行くと、ヒアルロン酸の注射や痛み止めをすぐに勧められる方が多いと思います。
否定するつもりはありません。痛みが強くて眠れない、歩けないという状態なら、まずそこをどうにかするのは必要です。
ただ、それが何をしているのかは知っておいてほしいと思っています。
ヒアルロン酸には、関節を修復する成分は入っていません
まずここです。ヒアルロン酸そのものに、すり減った軟骨を治す働きはありません。
私はよくこう説明します。
パンクしたタイヤに、無理やり空気を入れて膨らませているようなもの。
空気を入れれば、しばらくは走れます。でも穴は開いたままです。だから抜ける。また入れる。その繰り返しになります。
効果があるかどうかについては、研究でも意見が分かれています。
痛みや機能の改善を報告している研究もあります。一方で、関節への注射が 飲み薬より優れて見えるのは注射そのものによるプラセボ効果が含まれている 可能性がある、と指摘した研究もあります (Bannuru RR, et al. Annals of Internal Medicine, 2015)。
また、47件のランダム化比較試験・22,037人を対象に1〜4年の長期で 薬の効果を検討した研究(Gregori D, et al. JAMA, 2018)では、 痛みの改善が示された薬もあったものの、プラセボとの比較では どの推定にも大きな不確かさが残ると報告されています。
長い目で見たときに何が効くのかは、思われているほど固まっていません。
痛み止めは、文字どおり痛みを止めています
こちらはもっと単純です。痛み止めは、痛みの信号を止めているだけです。
原因が変わっていなければ、薬が切れれば当然また痛くなります。ここまでは、たいていの方が理解されています。
問題はその先です。
痛みが止まっている間に「治った」と勘違いして動いてしまい、 かえって悪化しているケースを、現場でよく見ます。
痛みは、体が出している「それ以上やるな」という信号です。 その信号を止めた状態で、いつも通りに動く——あるいは我慢していたぶん たくさん動いてしまう。
支える力は何も変わっていないのに、負荷だけが元に戻る。 これでは負債が増えるばかりです。
痛み止めを飲むなとは言いません。飲んで楽になっている間に、原因のほうに手をつけてほしいということです。ストレッチをする、支える力をつける。薬で作った時間を、そこに使う。
そうでないと、薬が効かなくなったときに、最初より悪い状態になっていることがあります。
なぜ、この方法が選ばれ続けるのか
私なりに考えていることがあります。
楽して治したい人と、一時的にでも良くなるという結果が、うまく噛み合ってしまっているのではないか。
打てばその場で軽くなる。飲めばその日は動ける。そして患者さんも、できれば運動なんかせずに治りたい。双方の希望が一致してしまうわけです。
責めるつもりはまったくありません。痛いときに楽になりたいのは当然ですし、私だってそう思います。
ただ、楽になっている状態と、良くなっている状態は別です。ここを混同したままだと、いつまでも同じことを繰り返すことになります。
ここでもうひとつ、考えてみてほしいことがあります。
あなたの周りに、何年も同じことを繰り返しているのに、膝の痛みが治っていない方はいませんか?
定期的に注射に通っている。痛み止めを切らさないようにしている。それでも「膝が痛い」と言い続けている——思い当たる方がいるのではないでしょうか。
その方は、決してサボっているわけではありません。**きちんと通って、言われたとおりにしている。**それなのに治っていない。
だとしたら、足りていないのは努力ではなく、原因のほうに手をつけることだったのかもしれません。
通説⑤ 「膝が痛いなら歩きなさい」
膝が痛いと言うと、たいてい**「歩きなさい」**と勧められます。
歩くこと自体は悪くありません。有酸素運動が膝の痛みを改善するという研究もあります(後半で紹介します)。
ただ、順番を飛ばして歩かせるのは危険だと考えています。
痛みが出ているということは、炎症が起きているということです。その状態で歩けば、炎症の起きている膝に負荷をかけ続けることになります。
しかも、そもそも支える力が足りないから痛んでいるのに、支える力をつけないまま歩数だけ増やす。これでは肩こり・腰痛の記事で書いた「負債」が増えるだけです。
私が使っている基準は「四股立ち1分」です
そこで、はっきりした目安をお伝えしています。
四股立ちで1分止まれるようになってから、歩いてください。
1分耐えられない方は、まだ歩く段階ではありません。
自分の体重を1分支えられないということは、歩いたときに何百回、何千回と かかる負荷に、膝が耐えられないということです。 そこで歩数を増やせば、良くなるどころか悪化します。
順番はこうです。
- ストレッチ——膝を伸ばせる状態に戻す
- 四股立ち・スクワット——止まったまま1分を目指す
- 1分できたら、歩く
歩くのは3番目です。1と2を飛ばして3から始めるから、歩いても良くならない、むしろ痛くなるということが起きます。
「歩きなさい」という指導そのものが間違っているのではなく、その人がいまどの段階にいるかを見ないまま言われることに、問題があると思っています。
ここまでが、5つの通説の話です。
共通しているのは、どれも**「いま起きていること」を説明しているだけで、 原因に触れていない**という点でした。
ここからは、では何をするのかを書きます。
施術でできること、できないこと
接骨院では、膝まわりをほぐして関節の動きを広げる手技、筋肉のストレッチ、電気や超音波を使った施術を行っています。
これで**軽くはなります。**痛みが強くて動けない状態なら、まずそこをどうにかするのは正しい順番です。
ただ、それだけでは元の条件が変わりません。
同じことを肩こり・腰痛を繰り返す人へでも書きました。かかる負荷に対して、支える力が足りない——膝もまったく同じ構造です。
この方法は、自分の膝で確かめたものです
ここまで書いてきたことは、教科書から持ってきた話ではありません。自分の膝で試したことです。
私はもともと、**高校生のころに膝を痛めています。**そのまま大人になり、だましだまし使ってきました。
決定的だったのは7年前です。地元の祭りで屋台を担いだとき、膝が劇的に痛くなりました。
そして——そこから半年間、痛みが引きませんでした。
施術する側の人間です。知識はあるつもりでした。それでも半年です。
その半年のあいだに、自分の体で確かめていったのが、これから書く方法です。もも裏とふくらはぎを伸ばして、四股立ちとスクワットで止まる。それで私自身の膝の痛みはなくなりました。
なぜこの話を書いたかというと、「痛みが半年引かない」という状態を、 私自身が経験しているからです。
長引いている方の「もう治らないんじゃないか」という気持ちは、 本当によく分かります。あのときは私もそう思いました。
ただ、やることをやれば変わるというのも、自分の体で確かめています。 だから患者さんにも、自信を持って同じことを勧めています。
私が指導している2つのこと
だから私は、必ずこの2つをやってもらいます。
① 膝まわりのストレッチ(関節を広げる)
とくにハムストリングス(もも裏)とふくらはぎです。
ここが硬いと、膝がしっかり伸びきりません。伸びない状態が続けば、関節は狭いままです。まず伸ばせる状態に戻すのが先。
- もも裏——座って片脚を前に伸ばし、背中を丸めずに股関節から前に倒れる
- ふくらはぎ——壁に手をついて片脚を後ろに引き、かかとを床につけたまま前に体重をかける
どちらも痛みが出ない範囲で、じわっと伸ばしてください。反動はつけません。
② 四股立ちとスクワット(支える力をつける)
まずは動かず、止まった状態で1分耐えられるようになるまでやってもらいます。
- 四股立ち——脚を大きく開き、つま先を外に向けて、腰を落として静止
- スクワット——足を肩幅に開き、膝がつま先より前に出ないように腰を落として静止
上下に動かす必要はありません。その姿勢で止まっていることが目的です。膝に痛みが出る角度までは落とさないでください。
なぜ「止まったまま」なのか。
いちばんの理由は、上下に動かすと軟骨に負荷がかかるからです。 痛みが出ている膝で、屈伸を繰り返すのは避けたい。
それに、動かすと反動が使えてしまうので、支える筋肉にも効きにくくなります。
止まって耐えるだけなら、軟骨への負担を抑えたまま、支える力だけを鍛えられます。 肩こり・腰痛の記事で書いた 「筋持久力」の話とも重なります。
進め方は「10秒 × 6回」から
いきなり1分は誰でもきついので、分けて構いません。
**まずは10秒を6回。**合計すれば1分です。慣れてきたら15秒×4回、20秒×3回、 と回数を減らして1回あたりを伸ばしていき、最終的に1分を連続で、を目指します。
途中で膝が痛む、フォームが崩れる、というときは秒数を戻してください。 きれいな姿勢で止まれることが優先です。
1分は、ゴールではなくスタートです
ここは強調しておきたいところです。
自分の体重だけで1分止まれるようになったら、それは通過点です。
そこからが本番で、負荷をかけてさらに筋力をつけていく段階に入ります。手に重りを持つ、片脚に近づけていく、時間を伸ばす——やり方はいろいろあります。
ただし、正直に書いておきます。
1分きれいに止まれるようになるだけで、膝の痛みが軽くなっている方が多いのも 事実です。だから「1分ができたら終わり」でも、痛みという意味では十分なことが あります。
私が「スタート」と言っているのは、そこで止めると元に戻りやすいからです。 膝の痛みは、支える力が落ちたところから始まっています。1分止まれる状態を 維持するか、さらに上げていくか。どちらにしても、やめれば戻ります。
サポーターは使ってください
もうひとつ、よく聞かれることです。
サポーターは推奨します。
「使うと筋肉が弱る」と言われることがありますが、これも肩こり・腰痛の記事で書いたコルセットの話と同じで、そう言い切れる根拠はありません。
膝が不安定な状態で動けば、それだけ負担がかかります。**外から支えてもらえるなら、その間は膝が守られます。**痛みが強い時期、長く歩く日、階段が多い日——こういうときは使ってください。
ただし、つけっぱなしで一日中座っている、という使い方は避けてください。
動かない状態で外から固定を足せば、その部分の筋肉が働く機会は減ります。 **動くときに使い、休んでいるときは外す。**これが基本です。
そして、サポーターはあくまで補助です。つけている間に、 ストレッチと支える力のほうを進めてください。
実際、これでほとんどの方は痛みがなくなります
この2つを続けてもらうと、ほとんどの方は膝の痛みがなくなります。
手術寸前と言われていた方でも、努力してもらえれば改善したケースがあります。
もちろん全員ではありませんし、私が診た範囲での話です。手術が必要な状態の方もいます。ただ、「軟骨がすり減っているから仕方がない」と諦める前に、やれることはあるというのが実感です。
運動の効果については、大きな研究があります。
217件のランダム化比較試験・15,684人を対象にしたネットワークメタ解析 (Yan L, et al. BMJ, 2025)では、変形性膝関節症に対して、
- 有酸素運動は短期・中期の痛みを大きく改善する可能性が高い
- 筋力トレーニングと複数を組み合わせた運動は、中期の機能を大きく改善する
- 柔軟性の運動は長期の痛みを大きく減らす可能性がある
と報告されています(いずれも中程度の確からしさ)。
運動が効くこと自体は、かなりしっかり裏づけられています。
この考え方は、膝以外にも使えます
ここまで膝の話をしてきましたが、やっていることの中身は他の部位でも同じです。原則として2つあります。
① 痛めている関節そのものは動かさず、筋肉だけを鍛える
膝で「止まったまま」の運動を勧めるのは、まさにこれです。関節を動かさなければ、 そこへの負担を抑えたまま、支える筋肉だけを鍛えられます。
肩でも腰でも足首でも、痛い関節を動かさずに鍛える方法は必ずあります。
② 関節を先に広げてから鍛える
硬いまま鍛えると、狭い状態で固めることになります。 先にストレッチで動く範囲を戻し、広がった状態で支える力をつける。 順番を逆にすると、鍛えるほど動かなくなっていきます。
この2つは、肩こり・腰痛の記事で書いた「柔軟性と強さは同時に」という話と、根っこは同じです。どの部位でも通用する考え方なので、覚えておいて損はありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 「軟骨がすり減っている」という説明は間違いなのですか?
A. すり減っている事実は正しいです。ただ、それが痛みの直接の原因かというと、そこは別の話だと考えています。すり減っていても痛くない方は大勢います。
Q. 膝が痛いときも運動していいのですか?
A. 痛みが出る動きを、痛みを我慢して続けるのは避けてください。痛みが出ない範囲でストレッチと静止の姿勢から始めるのが基本です。腫れている、熱を持っている、じっとしていても痛むという場合は、運動の前に一度診てもらってください。
Q. どのくらいで変わりますか?
A. 個人差が大きく、はっきりした数字は言えません。ただ数日では変わりません。数週間から数か月の単位で考えてください。
Q. ヒアルロン酸の注射やサプリはどうですか?
A. 注射を打つかどうかは医師の判断なので、私が指示できる立場ではありません。ただ、ヒアルロン酸に軟骨を修復する成分は入っていないということは知っておいてください。楽になっている間に、原因のほうに手をつけるのが大事です。サプリについても、それだけで筋力や柔軟性が戻るわけではありません。
Q. 「歩きなさい」と言われました。歩いていいですか?
A. **四股立ちで1分止まれるかどうかで判断してください。**耐えられないなら、まだ歩く段階ではありません。自分の体重を1分支えられない状態で歩数を増やすと、膝への負担が増えるだけになります。まずストレッチと静止の運動から始めて、1分できるようになってから歩いてください。
Q. サポーターは使ったほうがいいですか?
A. 使ってください。「筋肉が弱る」と言われることがありますが、そう言い切れる根拠はありません。ただし動くときに使い、じっと座っているときは外すのが基本です。あくまで補助なので、つけている間にストレッチと運動を進めてください。
Q. 体重を落としたほうがいいですか?
A. 膝にかかる負荷が減るという意味では、方向として正しいです。ただ急激な食事制限は筋肉も落とします。支える力が減れば逆効果なので、運動とセットで考えてください。
Q. 手術を勧められています。どうすればいいですか?
A. これは医師の判断です。私が「やめたほうがいい」と言える立場ではありません。
ただ、手術をするかしないかの境界線にいる方には、こう伝えています。——「まず試してみて、それでダメなら手術」でいいのではないか、と。
時間的な余裕があるなら、その間にストレッチと筋力の運動をしておくことに損はありません。手術をするにしても、支える力があるほうが術後の経過は違ってきます。
もちろん、待つことで悪化する状態もあります。どのくらい待てるかは主治医に確認してください。
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まとめ
膝の痛みは、**「すり減ったから」ではなく「すり減るような状態が続いたから」**と考えると、やることが見えてきます。
まとめポイント
- 半月板には基本的に神経がない。削れていること自体が痛みを出すわけではない
- 痛みの正体は炎症。急に痛めた、負担がかかり続けた、という条件のほうが先
- 画像の変化と痛みは一致しない。すり減っていても痛くない人は大勢いる
- 「隙間が狭い」も順番が逆。筋力が落ちて縮んだ結果として狭くなる
- 施術で軽くはなるが、それだけでは元の条件は変わらない
- もも裏とふくらはぎのストレッチで膝を伸ばせる状態に戻す
- 四股立ちとスクワットを、止まったまま1分を目標に。上下運動は軟骨に負荷がかかるので止まって耐える
- 最初は10秒×6回から。慣れたら1回あたりを伸ばしていく
- **1分はゴールではなくスタート。**ただし1分止まれるだけで痛みが軽くなる方は多い
- **「歩きなさい」は順番に注意。四股立ち1分ができてから歩く。**1分耐えられないうちは歩く段階ではない
- **ヒアルロン酸に軟骨を修復する成分はない。**パンクしたタイヤに空気を入れているようなもの
- **痛み止めは痛みを止めているだけ。**止まっている間に動いて悪化するケースが多い。薬で作った時間を原因の側に使う
- **痛めている関節は動かさず、筋肉だけを鍛える。関節を先に広げてから鍛える。**この2つはどの部位でも通用する
- **サポーターは使ってよい。**ただし動くときに使い、じっとしているときは外す
- この方法は、半年痛みが引かなかった私自身の膝で確かめたものです
今日からできる3ステップ
- もも裏とふくらはぎを、痛くない範囲で30秒ずつ伸ばす
- 四股立ちかスクワットで、痛みの出ない高さで10秒止まるのを6回
- 慣れたら15秒×4回、20秒×3回と、1回あたりを伸ばしていく
- 1分連続で止まれるようになるまで、歩く量は増やさない
※本記事の情報は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。 膝が腫れている、熱を持っている、じっとしていても痛む、力が入らない、急に動かなくなったという場合は、整形外科を受診してください。
【参考・出典】
- Hill BG, Eble S, Moschetti WE, et al.「The Discordance Between Pain and Imaging in Knee Osteoarthritis」Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons, 33(14):e786-e794, 2025. DOI: 10.5435/JAAOS-D-24-00509
- Finan PH, Buenaver LF, Bounds SC, et al.「Discordance between pain and radiographic severity in knee osteoarthritis: findings from quantitative sensory testing of central sensitization」Arthritis & Rheumatism, 65(2):363-372, 2013. DOI: 10.1002/art.34646
- Yan L, Li D, Xing D, et al.「Comparative efficacy and safety of exercise modalities in knee osteoarthritis: systematic review and network meta-analysis」BMJ, 391:e085242, 2025.(217試験・15,684人) DOI: 10.1136/bmj-2025-085242
- Bannuru RR, Schmid CH, Kent DM, et al.「Comparative effectiveness of pharmacologic interventions for knee osteoarthritis: a systematic review and network meta-analysis」Annals of Internal Medicine, 162(1):46-54, 2015. DOI: 10.7326/M14-1231
- Gregori D, Giacovelli G, Minto C, et al.「Association of Pharmacological Treatments With Long-term Pain Control in Patients With Knee Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-analysis」JAMA, 320(24):2564-2579, 2018.(47試験・22,037人) DOI: 10.1001/jama.2018.19319
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/exercise.html
EM|接骨院院長(柔道整復師・施術歴19年目・のべ7万人以上を施術)。体の仕組みは資格の範囲で解説し、商品については一利用者として調べた内容をご紹介しています。