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睡眠サイクルの基礎|「90分の倍数で起きる」は本当か

👤 「90分の倍数で起きるとスッキリする」を試したが効果を感じない人
カラダリセットラボ編集部⏱ 約9分で読める
睡眠サイクルの基礎|「90分の倍数で起きる」は本当か

睡眠は90分周期だから、4時間半・6時間・7時間半で起きるとスッキリする」——一度は聞いたことがあるはずです。実際に試して、うまくいった日もあれば、まったくダメだった日もある。

その体験、正しいです。というのも、90分周期は「平均的な目安」であって、誰にでも当てはまる固定値ではないからです。周期の長さには個人差があり、同じ人でも一晩の中で変動します。

この記事では、睡眠サイクルの実際の構造と、90分説をどう扱えばいいのか、そして起床時刻より重視すべきことを整理します。

目次

  • レム睡眠とノンレム睡眠
  • 一晩の睡眠は「均等な繰り返し」ではない
  • 「90分の倍数」説の限界
  • 起床時刻より大事な3つのこと
  • 二度寝・仮眠との付き合い方
  • よくある質問(FAQ)
  • まとめ

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠は、性質の異なる2種類が交互に現れます。

ノンレム睡眠レム睡眠
脳の状態休息している比較的活発
体の状態ある程度緊張が残る筋肉がゆるむ
眼球動かない急速に動く(Rapid Eye Movement)
見ることは少ない見やすい
主な役割脳の休息、成長ホルモン分泌記憶の整理・定着

ノンレム睡眠には深さの段階があり、浅い段階から深い段階へと進みます。「深い眠り」と呼ばれるのは、このノンレム睡眠の深い段階のことです。

どちらが優れているという話ではなく、両方が必要です。ノンレムだけでも、レムだけでも回復は成立しません。

一晩の睡眠は「均等な繰り返し」ではない

ここが90分説の誤解につながるポイントです。

睡眠サイクルは確かに繰り返しますが、毎回同じ中身ではありません。一晩を通して、比率が変化していきます。

前半(入眠〜3時間程度)

  • 深いノンレム睡眠が多い
  • 成長ホルモンの分泌が集中する
  • 体の回復にとって重要な時間帯

後半(明け方に近づくほど)

  • レム睡眠の割合が増える
  • 1回あたりのレム睡眠が長くなる
  • 記憶の整理が進む時間帯

つまり——

睡眠の前半と後半では、役割がまったく違う

「早く寝ても遅く寝ても、同じ時間眠れば同じ」ではないのは、このためです。とくに最初の3時間の深い睡眠は、削ると回復に響きやすい部分です。

「90分の倍数」説の限界

90分周期という数字自体は、睡眠研究から出てきた平均値です。ただし実用上、次の理由でそのまま当てはめるのは難しくなります。

① 個人差が大きい

周期の長さはおおむね80〜110分程度の幅があるとされ、人によって違います。90分ちょうどの人は、むしろ少数です。

仮に自分の周期が100分だとすると、6時間(90分×4回想定)で起きるつもりが、実際には周期の途中——ということが起こります。

② 同じ人でも一晩の中で変わる

前述のとおり、一晩の中で睡眠の構成は変化します。1周期目と4周期目では長さも中身も違うため、単純な掛け算では合いません。

③ 入眠までの時間が読めない

「布団に入った時刻」から計算しても、実際に眠りに落ちるまでの時間(入眠潜時)は日によって変わります。ここがずれると全体がずれます。

では90分説は無意味か?

そうではありません。**「6時間半より6時間のほうがスッキリすることがある」**という経験には、周期の考え方で説明がつく部分があります。

実用的な扱い方はこうです。

90分は「目安として意識する程度」。合わない日があって当然と考える

分単位で睡眠時間を管理するより、次に挙げる要素のほうが影響は大きくなります。

起床時刻より大事な3つのこと

睡眠の質を左右する要素を、優先度順に並べるとこうなります。

① 総睡眠時間を確保する

周期の計算に合わせて睡眠時間を削るのは本末転倒です。「7時間半だと周期が合わないから6時間にする」より、7時間半眠ったほうが良い結果になることがほとんどです。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、成人では6〜8時間程度が一つの目安とされています。

② 起床時刻を一定に保つ

体内時計を整えるうえで、就寝時刻より起床時刻を固定するほうが効果的とされています。休日に寝坊しすぎると、月曜の朝がつらくなるのはこのためです。

差をつけるとしても、平日との差は1〜2時間以内に収めるのが目安です。

③ 朝の光を浴びる

起床後に光を浴びると体内時計がリセットされ、約14〜16時間後に自然な眠気が訪れるリズムができます。起床時刻を一定にする効果を高めるのが、この朝の光です。

睡眠環境の整え方は睡眠の質を劇的に上げる7つの習慣、体温の観点からのアプローチは深部体温と睡眠の関係で詳しく扱っています。

二度寝・仮眠との付き合い方

サイクルの知識が役立つのは、実はこの場面です。

二度寝は短く

目覚めた後の二度寝は、新しい睡眠周期に入ってしまうと途中で起きることになり、かえってだるくなります。どうしてもという場合は、周期に入る前の短時間にとどめるのが無難です。

仮眠は15〜20分

日中の仮眠は、深いノンレム睡眠に入る前に切り上げるのがコツです。20分を超えると深い段階に入り、起きたときの「頭が重い感じ」が出やすくなります。

  • タイミング:午後の早い時間(15時以降は夜の睡眠に影響しやすい)
  • 長さ:15〜20分
  • 姿勢:横にならず、椅子で軽く

よくある質問(FAQ)

Q. 自分の睡眠周期を知る方法はありますか? A. 正確に測るには専門的な検査が必要です。日常的には、スマートウォッチなどの推定機能を参考にする程度になります。数値は目安と考えてください。

Q. 睡眠アプリのグラフはどこまで正確ですか? A. 体動や心拍から推定しているため、医療機関の検査(睡眠ポリグラフ)とは精度が異なります。日々の傾向を見る用途と割り切るのが実際的です。

Q. 「ショートスリーパー」になれますか? A. 短時間睡眠で足りる体質は遺伝的要因が大きいとされ、訓練で獲得できるものではないと考えられています。眠気を我慢するのは別問題です。

Q. 夢をよく見るのは眠りが浅いということ? A. 夢はレム睡眠中に見やすく、レムは明け方に増えます。夢を覚えているのは、レム睡眠中またはその直後に目覚めたためであることが多いです。

Q. 分割して眠る(分割睡眠)はどうですか? A. 前半の深い睡眠がまとまって取れなくなる可能性があります。生活上やむを得ない場合を除き、まとまった睡眠が基本です。

Q. 何時間眠ればいいか分かりません。 A. 日中に強い眠気がなく活動できているかが一つの目安です。休日に自然に目が覚める時間も参考になります。

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まとめ

90分周期は目安として有効ですが、それに睡眠時間を合わせにいくのは本末転倒です。

まとめポイント

  • 睡眠はノンレム(脳の休息)とレム(記憶の整理)が交互に現れる
  • 前半は深いノンレムが多く、後半はレムが増える。前半と後半で役割が違う
  • 周期は80〜110分程度の個人差があり、一晩の中でも変動する
  • 優先すべきは「総睡眠時間 > 起床時刻を一定に > 朝の光
  • 仮眠は15〜20分、深い段階に入る前に切り上げる

今日からできる3ステップ実践チェックリスト

  • 起床時刻を平日・休日で1〜2時間以内の差に収める
  • 起きたらカーテンを開けて光を浴びる
  • 昼の仮眠は15〜20分でアラームをかける

※本記事の情報は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。 不眠や日中の強い眠気が続く場合は、睡眠時無呼吸症候群など別の要因も考えられます。医療機関にご相談ください。


【参考・出典】

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド」
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠のメカニズム」「体内時計」
  3. 日本睡眠学会 一般向け情報

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