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なぜマッサージで一時的に楽になるのに、また凝るのか

👤 マッサージに通っているがすぐ元に戻る人、揉んでも意味がないのか疑問な人
EM(柔道整復師・接骨院院長)⏱ 約10分で読める
なぜマッサージで一時的に楽になるのに、また凝るのか

「揉んでもらった直後は楽になるのに、数日したらまた元通り」——マッサージに通っている方から、よく聞く話です。

「マッサージなんて意味がないのでは」と思われることがありますが、**それは違います。**体には確かに良い変化が起きています。ただ、マッサージがやっていることと、コリが戻る理由は、別の話なんです。この記事では、その両方を整理します。

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この記事で分かること

・マッサージで体に実際に何が起きているか(研究データ) ・なぜ首や肩をほぐすだけでなく、頭部が関係するのか ・「また凝る」のは施術のせいではない理由 ・戻らないようにするために、何が必要か

マッサージで、体には確かに変化が起きています

「気持ちいいだけで、体には何も起きていないのでは」——そんなことはありません。

88件の研究・5,524人を対象にしたメタ解析では、マッサージ・リフレクソロジー・関節モビライゼーションなどの手技療法で、痛み・血圧・心拍数・不安の指標が改善し、コルチゾール(ストレスホルモン)を含む生理指標も改善したと報告されています(Mo Y, Jiang Y, et al.「Effectiveness of manual therapy on physical and mental health promotion in adults」Frontiers in Psychology, 2026)。

さらに、足のマッサージでオキシトシン(安心感・親密感に関わるホルモン)の分泌が増えることも確認されています(Li Q, Becker B, et al.「Foot massage evokes oxytocin release」Psychoneuroendocrinology, 2019)。

マッサージ後の「楽になった」という感覚は、**気のせいではありません。**自律神経・ホルモン・筋肉の緊張——複数の経路で、実際に体は変化しています。

なぜ「その部位」以外にも効くのか

私が施術していて興味深いと感じるのは、触れていない場所まで変化することです。

肩から首にかけてマッサージをしていると、**胸鎖乳突筋(首の前側にある筋肉)**が緊張して硬くなっている方が多いです。頭が前に出た姿勢を支え続けるために、この筋肉が常に働いた状態になっているのだと思います。

もう一つ、頭部全体(咬筋・側頭筋を含む)をマッサージすると、肩や首自体には触れていないのに、そちらの緊張までゆるむことがよくあります。顔・頭の神経(三叉神経)と首の神経は、脳の中で経路の一部が重なっていることが分かっており(Raguž M, et al.「Refractory Neuropathic Pain in the Head and Neck: Neuroanatomical and Clinical Significance of the Cervicotrigeminal Complex」Life, 2025)、これが頭・顔・首・肩の緊張が連動する背景にあるのではないかと考えています。

体は、思っている以上につながっています。「肩が凝っているから肩だけ揉む」が、必ずしも最適とは限りません。

では、なぜまた凝るのか

ここが本題です。マッサージが効いていないのではなく、コリの「原因」に触れていないからです。

⚠️

「かかる負荷 > 耐える力」——これが、私が肩こり・腰痛を見るときの基本の考え方です(詳しくは肩こり・腰痛の記事)。

マッサージがほぐしているのは、**「負荷が蓄積した結果としての筋肉の緊張」**です。ここを緩めれば、確かに楽になります。ですが、負荷そのもの(同じ姿勢を続ける仕事、支える力の不足、日々の生活習慣)は、マッサージでは変わりません。

原因はそのまま、結果だけを一時的にリセットしている——だから、日常に戻れば、また同じ負荷がかかり、同じように凝ります。

これは「マッサージが無意味」という意味ではありません。負荷はそのままでも、耐える力の底が浅くなりすぎる前にリセットする、という役割は確かにあります。ただ、それだけでは根本的な解決にはならない、ということです。

「また凝る」を減らすには

コリを繰り返さないためには、マッサージと別の対処を組み合わせる必要があります。

  • 負荷を減らす — 同じ姿勢を長時間続けない、こまめに動く
  • 耐える力を上げる筋トレでうつ症状・自己肯定感が改善するという記事でも書いたように、支える力そのものを底上げする
  • 頭部・顔まわりもケアする — 首や肩だけでなく、咬筋・側頭筋の緊張も見直す

マッサージは「今の負債をリセットする手段」であって、「負債を作らないようにする手段」ではありません。両方を組み合わせて、初めて「また凝る」が減っていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. マッサージに通い続けても意味がないということですか? A. いいえ。負債が溜まりすぎる前にリセットする役割は確かにあります。ただし、日常の負荷そのものを見直さないと、繰り返しは減りません。

Q. 首や肩ではなく、頭をマッサージしてもらう意味はありますか? A. あります。顔・頭の神経と首の神経は経路の一部が重なっているとされ、頭部のケアが首肩の緊張に影響することがあります。

Q. マッサージの「幸せホルモン」効果はどのくらい続きますか? A. 持続時間について明確なデータはまだ十分ではありません。効果を維持するには、生活習慣の見直しと組み合わせるのが現実的です。

Q. 自分で頭や首をほぐすことはできますか? A. 軽い範囲であれば可能です。ただし強い痛みがある場合や、しびれを伴う場合は自己判断せず専門家にご相談ください。

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まとめ

まとめポイント

  • マッサージで体には確かに変化が起きている(コルチゾール低下・オキシトシン分泌など)
  • 首・肩と頭・顔の神経は経路の一部が重なっており、触れていない場所まで緩むことがある
  • 「また凝る」のは、マッサージが負荷の結果(筋肉の緊張)だけをリセットし、負荷そのものは変わらないため
  • 繰り返しを減らすには、負荷を減らす・耐える力を上げることを組み合わせる必要がある

※本記事の情報は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。強い痛みやしびれがある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。


【参考・出典】

  1. Mo Y, Jiang Y, Li H, et al.「Effectiveness of manual therapy on physical and mental health promotion in adults: a systematic review and meta-analysis」Frontiers in Psychology, 17:1815296, 2026.(88研究・5,524人) DOI: 10.3389/fpsyg.2026.1815296
  2. Li Q, Becker B, Wernicke J, et al.「Foot massage evokes oxytocin release and activation of orbitofrontal cortex and superior temporal sulcus」Psychoneuroendocrinology, 101:193-203, 2019. DOI: 10.1016/j.psyneuen.2018.11.016
  3. Raguž M, Tarle M, Hat K, et al.「Refractory Neuropathic Pain in the Head and Neck: Neuroanatomical and Clinical Significance of the Cervicotrigeminal Complex」Life, 15(9):1457, 2025.(総説) DOI: 10.3390/life15091457

カラダリセットラボ|本記事は接骨院院長(柔道整復師・施術歴19年目・のべ7万人以上を施術)が執筆・監修しています。

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著者

EM(柔道整復師・接骨院院長)

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