クレアチンは一般人にも効果あり?筋トレしない人が摂った場合を整理する
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クレアチンと聞くと、「筋トレしている人が飲む粉」というイメージがある方が多いと思います。私自身も長年そう思っていました。
ただ最近、患者さんから「クレアチンって運動しない人でも意味あるんですか?」と聞かれることが増えました。調べてみると、近年は運動しない一般の人への効果も研究されていることが分かりました。この記事では、その内容を整理します。
この記事で分かること
・クレアチンは「筋肉のエネルギー源」というだけではない ・運動をしなくても、記憶力・処理速度に効果があるという研究 ・閉経後の女性の筋量・骨密度への効果 ・安全性の目安(腎臓への影響について) ・私が柔道整復師として言えること、言えないこと
クレアチンとは何か
クレアチンは、体内でエネルギー(ATP)を素早く作り出す仕組みに関わる物質です。肝臓・腎臓・膵臓で作られるほか、肉や魚からも摂取できます。
筋肉の瞬発的な動き(重いものを持ち上げる、短距離を走るなど)で使われるエネルギー源として知られており、これが「筋トレのサプリ」というイメージの理由です。
ただ、**エネルギーを素早く作る仕組みは、筋肉だけでなく脳でも使われています。**ここが、運動しない人にも関係してくるポイントです。
運動しなくても、記憶力・処理速度に効果があるという研究
16件のランダム化比較試験・492人分を統合したメタ解析があります。
Xu C, Bi S, Zhang W, Luo L.「The effects of creatine supplementation on cognitive function in adults: a systematic review and meta-analysis」Frontiers in Nutrition, 2024
記憶力と処理速度が、クレアチン摂取で有意に改善しました。注意力にも改善が見られました。ただし、全体的な認知機能としては、統計的に有意な改善は確認されませんでした。「頭が良くなる」というより、「特定の能力が伸びる」という結果です。
対象は健康な人と特定の疾患を持つ人が混在した研究も含まれており、年齢層も20〜76歳と幅広いものでした。運動の有無を問わず、認知面での効果が報告されているのが特徴です。
閉経後の女性の筋量・骨密度への効果
もう一つ、興味深い研究があります。
Naddafha S, Antonio J, Kreider RB, Stout JR.「Creatine monohydrate for lean mass, strength, and bone density in postmenopausal women」Journal of the International Society of Sports Nutrition, 2026(7件のRCT・608人・平均62歳)
除脂肪量(脂肪を除いた体重)が平均+0.37kg増加、レッグプレスの筋力が平均+7.5kg向上しました。骨密度への効果は、全体としてははっきりしませんでした。
ここで重要な条件があります。**効果がはっきり出たのは「1日5g以上のクレアチン」を「筋力トレーニングと組み合わせた」場合です。**1日3g以下でトレーニングをしていない群では、目立った効果は確認されませんでした。
つまり、クレアチンだけを飲んで運動はしない、という使い方では、少なくともこの研究の効果は期待しにくいということです。「魔法の粉」ではなく、運動をしている人の効果を後押しする、という位置づけのほうが正確です。
更年期以降、筋力や骨密度が落ちやすくなる理由は肩こり・腰痛の記事や膝の記事でも書いてきた「支える力の低下」と同じ話です。運動と組み合わせて初めて意味を持つという点は、クレアチンに限らずどのサプリにも共通しています。
安全性について
「クレアチンは腎臓に負担がかかるのでは」という心配をよく聞きます。
Yoshizumi WM, Tsourounis C.「Effects of creatine supplementation on renal function」Journal of Herbal Pharmacotherapy, 2004(既存文献のレビュー)
健康な成人が、推奨される量(初期の負荷期で1日20g・5日間、その後の維持期で1日3g以下)を使う範囲では、腎機能への悪影響は確認されていません。
ただし、もともと腎臓に病気がある人や、腎臓に負担をかける薬を使っている人では、リスクが上がる可能性があるとされています。1日20gを4週間続けた20代男性で急性腎不全が起きた症例報告も1件ありますが、これは通常の維持量を大きく超えた使い方でした。1日10gを超える量の長期使用については、まだ研究が少ないのが現状です。
私が柔道整復師として言えること
正直に書いておきます。私は柔道整復師なので、サプリメントの摂取量を指示したり、処方したりできる立場ではありません。
ここに書いたのは、あくまで研究で報告されている内容の整理です。**実際に摂るかどうか、どのくらいの量にするかは、持病がある方は必ず医師に相談してから判断してください。**とくに腎臓に不安がある方、薬を服用中の方は自己判断で始めないでください。
その上で言えるのは、「筋トレをする人だけのサプリ」という思い込みは、少なくとも一部の研究結果とは合っていないということです。ただし効果が確認されているのは、あくまで「運動と組み合わせた場合」や「特定の能力(記憶・処理速度)」であって、飲むだけで何でも解決するわけではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. どのくらいの量を摂ればいいですか? A. 私からは具体的な量を指示できません。研究で使われた量(負荷期1日20g・維持期1日3〜5g程度)を参考にしつつ、製品の表示を確認し、持病がある場合は医師に相談してください。
Q. 運動しないなら意味がないですか? A. 記憶力・処理速度については、運動の有無を問わない研究結果が報告されています。ただし筋量・筋力への効果は、運動と組み合わせた場合にはっきり出ています。
Q. 女性が摂っても大丈夫ですか? A. 閉経後の女性を対象にした研究では、大きな有害事象は報告されていません。ただし持病がある場合は医師に確認してください。
Q. 骨密度も上がりますか? A. 紹介した研究では、骨密度への効果ははっきりしませんでした。筋量・筋力ほど明確な結果は出ていません。
Q. 一生飲み続けても平気ですか? A. 長期の大量使用についてはまだ研究が少なく、はっきりしたことは言えません。持病のある方は特に注意が必要です。
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まとめ
まとめポイント
- クレアチンは筋肉だけでなく、脳のエネルギー産生にも関わる
- 運動しなくても、記憶力・処理速度の改善が研究で報告されている(ただし全体的な認知機能への効果は未確認)
- 筋量・筋力への効果は、1日5g以上+筋力トレーニングの組み合わせで確認されている
- 骨密度への効果は、まだはっきりしていない
- 安全性は、健康な成人が推奨量の範囲では大きな問題は報告されていないが、腎臓に持病がある人は要注意
- 「筋トレする人だけのサプリ」という思い込みは見直す価値があるが、「飲むだけで効く魔法の粉」でもない
※本記事の情報は一般的な健康情報の提供を目的としており、医療アドバイスではありません。サプリメントの摂取量・可否については、持病がある場合や薬を服用中の場合は必ず医師にご相談ください。
【参考・出典】
- Xu C, Bi S, Zhang W, Luo L.「The effects of creatine supplementation on cognitive function in adults: a systematic review and meta-analysis」Frontiers in Nutrition, 11:1424972, 2024.(16試験・492人のメタ解析) DOI: 10.3389/fnut.2024.1424972
- Naddafha S, Antonio J, Kreider RB, Stout JR.「Creatine monohydrate for lean mass, strength, and bone density in postmenopausal women: a systematic review and meta-analysis」Journal of the International Society of Sports Nutrition, 23(1):2668435, 2026.(7試験・608人のメタ解析) DOI: 10.1080/15502783.2026.2668435
- Yoshizumi WM, Tsourounis C.「Effects of creatine supplementation on renal function」Journal of Herbal Pharmacotherapy, 4(1):1-7, 2004.(既存文献のレビュー) DOI: 10.1300/j157v04n01_01
カラダリセットラボ|本記事は接骨院院長(柔道整復師・施術歴19年目・のべ7万人以上を施術)が執筆・監修しています。